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「吃音には3つのタイプがある」というのは吃音についてネットで調べると当たり前のように出てきます。簡単に説明すると、最初の言葉が出ずに止まってしまう難発性吃音、特定の音節を繰り返す連発性吃音、単語の一部を伸ばしてしまう伸発性吃音の3つです。しかし、実際に吃音者をそんな簡単にタイプ分類できるかというと、そうではありません。

 

このタイプの吃音だけが出るという方はいませんし、自分がどういう吃音症状が出ているのかを客観的に把握している方も少ないでしょう。

ただ、多くの方は難発性の吃音が吃音症状の始めで、そこから連発性、伸発性の吃音に派生していくことが多いです。今回は、その吃音症状の派生について考えていきます。

吃音難発性:伸発性・連発性のどもりについて

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よくある吃音症状の説明として、始めに難発性が発症し、その後は難発性と伸発性が同時に、そして難発性と伸発性と連発性が同時に出る、というような段階的なものがあります。この理解はある意味では正しいのですが、本質を理解していないまま「吃音はどんどん症状が増えるように進行していくものだ」と誤解している方が多いです。

 

難発性吃音が始まると、人前で話すことへの苦痛を感じ始めます。そうなると、確かに伸発性や連発性という吃音も徐々に出てくるようになるのですが、これは吃音の悪化というよりも、吃音者の癖というのが正しい理解になります。

 

例えば、吃音を隠すためにゆっくり話す努力とした結果、言葉を伸ばすようになってしまうことがあります。そして、言葉を伸ばすと言葉に詰まる無音の時間が少なくなるのでうまく話せたと思い込んでしまい、さらに言葉を伸ばす話し方が増えてきます。

連発性も、同じように無音への恐怖がとにかく言葉を発せ無ければという焦りに変わった結果です。

 

どれも、難発性の吃音を隠すために吃音者が生み出した癖ということなのです。確かに客観的に見れば、難発性に伸発性、連発性が追加されていることには変わりはありません。しかし、伸発性や連発性の吃音は、吃音の症状そのものが重たくなっているというよりは、吃音者自身が作り上げてしまった虚像の吃音と言えるでしょう。

吃音を一気に直す発声トレーニングはない

まず、現在難発性の吃音だけに悩んでいるという方は、今日から難発性の吃音を隠そうとするのを止めましょう。そうすることで、伸発性や連発性のような吃音の癖が出来てしまうのを防ぐことができます。どれだけ間が空いても、その間を無理に埋めようとはしなくて良いのです。

 

そして、伸発性や連発性の吃音症状も出ているという方は、まずは吃音に対する意識を変える必要があります。これまで賢明にトレーニングを行った結果、伸発性の吃音症状が出てしまっている可能性もあるということを理解しましょう。

 

発声トレーニングで、全ての吃音症状を一度に直すことはできません。大人の吃音では、「難発性」の吃音が全ての吃音症状の根幹にあります。難発性の吃音を直すためのトレーニングに焦点を絞るのが、効率的だと私は思います。

吃音難発性:マインドフレームの改善が近道

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もちろん、吃音改善は発声トレーニングだけが全てではありません。むしろ、発声トレーニングよりも優先すべきなのが、「吃音に対する意識改革」です。全ては、吃音を恥ずかしいことだと感じ隠そうとするところから始まっています。その吃音に対する負のマインドフレームを改善することが、一番の近道なのです。

 

MRMプログラムは、そのための最も強力なメソッドであると断言できます。吃音の無い幸せな毎日を具体的にイメージする力を身につけることができます。吃音を隠さなくて良いのだと悟ることができれば、その他の吃音症状も一挙に解決するでしょう。

 

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吃音難発性:世代には漫画が刺さることもある

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吃音症の多くは小児期に発症し、成長とともに改善していきます。しかし、中にはその小児期に吃音でいじめられたり笑われたりした苦い経験のせいで吃音が定着化し、大人になっても吃音が治らないままという方もいます。

 

吃音が定着するかどうかは、6歳~8歳までに吃音が改善したかどうかが一つのボーダーラインになると知られています。もちろん、この後に吃音が改善していくケースもありますし、当サイトで紹介しているMRMプログラムなら大人になってからの吃音でも改善が見られます

 

しかし、小児期の吃音の取り扱い方によって将来の吃音状況が大きく変わるというのは間違いありません。とはいえ、子供に吃音について客観的に理解してもらうことも、周りの吃音者への対応を身につけることも、容易ではありません。そこで登場するのが、吃音を取り扱った漫画なのです。漫画なら、子供も興味を持ちやすく理解も早いです。

吃音症本人の気持ち・周りの印象が同時にわかる

吃音について大人が説明するとする場合、その大人が吃音者であろうと非吃音者であろうと、結局どちらか一方の立場でしか話すことができません。その点、漫画では吃音者の気持ちも非吃音者の気持ちも同時に描かれているので、言葉では難しい説明も一挙に解決してしまいます。

 

また、子供ほど漫画の中のキャラクターに強く感情移入できるので、吃音者の辛い気持ちを理解し、周りが笑ったり真似したりすることに嫌悪感を覚えるはずです。「~~してはいけないよ」といくら先に言葉で説明しても、子供はむしろそれを繰り返してしまいます。

しかし、こういった漫画を見せて子供自身にその気持ちを理解させることで、自然と吃音への向き合い方がわかるのです。

 

吃音難発性:現実を描いた非常にリアルな漫画

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吃音を取り扱った漫画は少ないですが、一つオススメを紹介するならば「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」という漫画があります。舞台は高校で、吃音症をもつ女の子が主人公です。高校の話だと少し難しいのでは?と感じるかもしれませんが、大丈夫です。

 

吃音で言葉が出ない状況と、その時の主人公の気持ちの描写にはほとんど言葉の説明はありません。子供でも、この女の子が馬鹿にされている、辛い思いをしているということが分かるはずです。

 

後半では友達もでき、一緒に歌を歌うことになる青春ストーリーが繰り広げられていきます。吃音でも、周りの理解さえあれば不幸ばかりではないということを学ぶことができます。

 

また、志乃ちゃんは自分の名前が言えないでは、「吃音」という言葉やその症状の説明は一切でてきません。全て女の子の表情や仕草で表現されているので、子供もその姿を見て吃音という言葉を知らないままにこういった症状が存在するのだということがわかるのです。

 

作者の吃音経験を漫画にしているので全てにリアリティがあり、もちろん大人にも読み応えがあります。

真面目に教えるより効果的

子供は真面目に教えれば教えるほど天邪鬼な対応をすることも多いです。しかし、吃音という症状を早くに理解することが、吃音をもつ本人にとっても、周りの吃音の子にとっても非常に大切なことなのです。

 

「漫画なんか読ませない」という教育方針もあるかと思います。しかし、ただの娯楽としてでは無く、ある意味での教科書として漫画を利用するのは決して悪いことではないと思います。

もちろん、漫画に全てを丸投げするということではありませんが、説明が難しい小児期にこそ刺さる場合も多いです。

吃音難発性:当事者の心理描写が秀逸な漫画

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改めて、吃音を題材にした珍しい漫画があります。

タイトルは「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」というものです。吃音症を持つ一人の女子高生が主人公で、吃音にまつわる数々の苦難を取り上げながら、乗り越える勇気を描いた青春ストーリーです。

 

元々はウェブ連載でした、それらを1冊の漫画としてまとめたものになります。1巻簡潔で読みやすく、作者も吃音症で悩んだ経験を持っているため、状況のディテールが非常に細かいのが特徴です。

吃音というものをよく知らない方にも、ぜひ読んで欲しい1冊です。

吃音難発性:作者もどもりに悩まされていた

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「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」の作者である押見修造さんは、吃音に悩んだ自分の過去の経験をもとにこの作品を書き上げました。押見さんはこの作品を書いているときに感じていたのは「吃音をもっと色々な方に知って欲しい。でも吃音を重い障害のようには思って欲しくない」というものです。

 

実際、作中では「吃音」という名称は一切でてきません。また、作品の空気も常に重苦しいものではなくて、思わず吹き出してしまうような面白い瞬間もたくさんあります。

 

冒頭では、高校入学後のクラスみんなの前での自己紹介の場面が描かれています。吃音を持っている方なら、うまく名前が言えなくて嫌だったなと思い返すこともあるかもしれませんね。

 

主人公である志乃ちゃんも、自分の名前で詰まってしまい、クラスのみんなから笑われてしまいます。その後もクラスの男子から話し方を真似されたり、辛い日々が続きます。

 

後書きでは、作者が吃音のせいで感じたストレスや、その後の自分の人生について綴られています。中でも、吃音のおかげで人の気持ちに敏感になり、人の表情や仕草から感情を読み取る力がついて、その結果漫画家になることができたというところには、感銘を受けます。

 

吃音じゃなかったら漫画家には慣れなかったとまで言い切れるのは、吃音を乗り越えて成功した立派な人であることの証明でもありますよね。

障害漫画ではなく、正統派青春ストーリー

ただ、この漫画は吃音という症状の辛いところだけを描いているわけではありません。むしろ、かなり正統派の青春ストーリーで物語は進んでいきます。

 

クラスにうまく馴染めない志乃ちゃんでしたが、じきに友達ができ、その友達と文化祭で歌を歌うまでに成長していくのです。志乃ちゃんは、歌ではどもらないタイプの吃音だったので、その歌を通して周りと気持ちを通わせることができました。日々、志乃ちゃんの成長していく姿を見ていると、思わず応援したくなります。最後の文化祭のシーンは特に見所で、押見さんの圧巻な筆力に息をのむばかりです。

 

事実、志乃ちゃんと同じように歌を歌っている間はどもらないという吃音者は多く、歌が吃音改善のきっかけになることもあるようです。

「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」は、吃音がある方が主人公に感情移入して楽しむだけでなく、吃音を感じたことのない方が吃音者の言葉にできない気持ちを理解するバイブルとしてもおすすめの1冊になります。

吃音難発性:子供にも読ませてあげたい漫画

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吃音である子供に読ませてみるのももちろんオススメですが、私が特に良いと思うのは吃音の子が近くにいる普通の子供達に読ませることです。吃音の子にとって、話し方を笑われたり真似されたりすることは非常に辛く、吃音の症状をより酷くしてしまう原因の一つです。

 

しかし、子供は純粋で、ある意味では残酷でもあります。自分と違うこと、珍しいことに対して容赦なく触れてしまうのです。

 

こういった世代には、論理的に言葉で説明するよりも漫画のような親しみやすい題材で、吃音者の気持ちを本人達に分からせるのが一番早くて確実です。無理矢理読ませることはないですが、家や学校などにさりげなく1冊置いておくというのも良いのではないかなと思います。

 

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